煌を先頭にゆっくりと此方へ向かって歩いてくる鳳皇メンバー達。
突然現れた鳳皇に中田は驚きもせず、腕を組んで余裕をかましている。
「凛音からの情報で各倉庫を調べさせたのか?まぁ、バレた時点でそうなるとは思ってたが。でも残念だったな。その人数じゃ俺達には勝てない。こっちにはまだ各倉庫の人間が──」
「居ねぇよ」
「あ?」
「此処へ来る前“掃除”してきてやったからな」
「何?」
煌の一言にピクリと反応する中田。
訝しげに睨み返す中田に煌がにたりと笑う。
「ナメんなよ?俺等がお前等ごときに負ける訳がねぇだろうが。そうだよなぁ?総長サン?」
意味ありげにそう言った煌が至極愉しそうに笑みを浮かべた時、後ろの人垣が左右に割れた。
「……っ、十夜!!」
人垣の中心から現れたのは、鳳皇のトップ、桐谷 十夜。
堂々たる足取りで此方へ向かって歩いてくるその姿は、まるで獲物を狙う獣のようで。
その圧倒的な威圧感に、blade側の人間が一歩後退したのが分かった。
一歩、また一歩と、地面を踏み締めながら此方へと歩んでくる十夜。
その後ろ姿を、鳳皇メンバー達は尊いものを見るかのような眼差しで見ている。
煌、壱さん、彼方の傍まで来た十夜は、三人の一歩前で立ち止まると、数メートル先に倒れている陽へと目を向けた。
辛そうに横たわる陽に小さく頷いた後、再びこちらに目を向ける。
けれど、その瞳は中田ではなく、その近くに居るあたしへと向けられていて。
捕らえられたその漆黒の瞳にじわり、涙が浮かんだ。


