「もう、小細工なんてしねぇよ。一気に叩き潰す」
まるで勝つ事を前提にしたようなその物言いに、ギリッと歯軋りする。
その絶対的自信は何なのか、“何”が中田をそこまで自信過剰にさせるのかあたしには分からないけど。
でも──
「アンタなんかに鳳皇は負けないって言ってんでしょ!!」
十夜達は負けない。負ける訳がない。
もし、皆に何かあったら、
その時はあたしが出る。
例え相討ちになったとしても潰してやる。
「──どこがいい?」
「は?」
「アイツ等の何がいい?桐谷の何がいい!?お前は、アイツ等の何を知ってる……っ!!」
「………っ、」
早口で捲し立てながら近付いてきた中田に乱暴に腕を掴まれ、グイッと力任せに引っ張られる。
「ちょっ……!」
そのまま壁へと追いやられ、ドンッと乱暴に押し付けられた。
「……っ、何を知ってるって?笑わせんな!少なくともアンタより鳳皇の事を知ってる!!あたしをアンタと一緒にすんな!!」
手首の痛みと壁に打ち付けられた背中の痛み。
それに耐えながら、思いっきり吐き捨てる。