「何だ。もう暴れないのか?」


「……っ、中田っ!」



不敵な笑みを浮かべながら部屋に入ってきたのは、途中で何処かへ消えた中田で。


その姿を見て直ぐ様立ち上がり、詰め寄っていった。


掴みかかろうとすればすぐに跳ね除けられ、距離を取られる。



「そう怒るなよ。怒りたいのはこっちだぜ?」


「何が──」


「大人しくしろって言ったよな?それに第一倉庫の事を奴等にバラした」


「あたしはバラさないなんて言ってない!!」


「まぁそうだな。けど凛音のお陰でだいぶ予定が狂った事は確かだ」


「予定?」


「あぁ。鳳皇を潰す予定がな」


「……っ、鳳皇に何する気!?」


「さぁ?」



笑顔を崩さない中田に怒りが抑えられない。



「潰すだけだよ」



……潰すだけ?


「ふざけんな!アンタなんかに……っ、」



急に切り替わった中田の雰囲気に言葉が詰まる。



………なに?


笑顔から一変した中田の表情。


けれど、それはほんの一瞬だけで、すぐにまた笑顔が貼り付けられた。