「黙れっ!!」


あたしの口を手で塞ぐ中田。


けど、もう遅い。

第一倉庫の事はもう伝えた。


あとは……。



「んーーー!!」



陽の事だけ。



頭を激しく左右に振ると、少しだけ緩んだ手。


その隙に口を開け、思いっきり指に噛みついた。


「………っ」


小さな呻き声と共に中田の手が離れて、頭を振って蹴散らす。



「十夜!陽が何処にいるか分からない!あたしはいいから陽を見つけて!お願い!!陽を先に見つけて!!」



そう叫んだ時にはもう倉庫から出ていたけれど、きっと届いてるだろう。



十夜、お願いだから陽を見つけて。


あたしはいいから陽を見つけて。



お願いだから、陽だけは……。