どんなに叫んでも、どんなに暴れても、あたしの身体が自由になる事はなかった。


やっと皆の所へ来れたと思ったのに……!



「やだっ!離して!」



無駄な抵抗だって分かっているけど、それでも皆の元へ行く事を諦められない。


本当はこの状況じゃどうしようも出来ないって事ぐらい分かってる。


分かってる……けど。



「離してってば!!」



どうしても諦められないの。


皆の元へ行きたい。

連れて行かれたくない。



「凛音!!」


「……っ、十夜!!」



──十夜の元に、行きたい。




「十夜!!」



声は聞こえるのに、姿が見えなくて。


あたしを連れ戻す為に必死になって戦ってくれてるのに、あたしは何も出来ないまま連れていかれるだけなんて、そんなの嫌だ。



「……っ」



あたしは此処に何をしに来たの?

わざわざ捕まりに来ただけ?


それならあの部屋に居れば良かったじゃない。脱走する必要なんてなかった。



じゃあ、此処に居るあたしは何をすればいい?



あたしが今、するべき事。


そんなの……。



「十夜ーーー!!」



そんなの、一つしかないじゃない。



「十夜!ココは第八倉庫!あたしは一番奥の第一倉庫にいる!他の倉庫の敵はカムフラージュだから無視して!」