「絶対助けるから」


その為には此処から出ないといけない。


「よしっ」


スクッと立ち上がって、手当たり次第にそこら辺を探しまくる。


開けられる所を全て開け、ソファーやら棚やら片っ端に寄せた。


腕を縛られてるから探しにくかったけど、そこは大丈夫。凛音ちゃん足癖悪いですから。


「あった!」


ないかもと諦めた矢先、最後に探した古びた机の中に“ソレ”はあった。


乱雑に入れられた筆記用具の中にある、刃が錆びれたカッター。


余りにも錆び過ぎてきて切れないんじゃないかと思ったけど、取り敢えず切れる物が見つかったんだ。試してみる価値はある。


期待を胸にナイフに手を伸ばそうとした──その時。


何の前触れもなく開いたドア。


慌てて引き出しを閉め、机から離れる。



「あーあ、ドア凹んでるじゃねぇか」



笑みを浮かべながら部屋に入ってきたのは一人の男で。


その人物は──




「……っ、中田!アンタがあたし達を攫ったの!?」





──bladeの総長、中田だった。







「そう。凛音を拉致したのは俺だよ」


「……っ」


「何だよ。凛音は俺だとは思わなかったのか?」



愉快げに肩を揺らす中田にギリッと唇を噛みしめる。



「……っ、どこ!?陽はどこに居るの!?」



攫ったのがコイツなら、陽の身が心配だ。