「凛音!俺、昨日すっげぇ怒られたし」


「え、そうなの?」


「そうなのって凛音は怒られなかったのかよ」


「あー、あたし寝ちゃったんだよねー」


「はぁ?」



開口一番に文句を言い始めた陽に「あはは」と笑う。


「どういう事だよ?」と詰め寄る陽に昨日の経緯を大まかに話すと、陽は「何で俺だけ?ずりー」と不貞腐れてしまい、その後宥めるのに一苦労した。


まぁ、あたしと一緒であまり気にしない性格だから直ぐに機嫌は直ったけど。






「ん?」

「どうしたの?」

「なんかメール来た」


階段を上がりながらポケットからスマホを取り出した陽。


「壱からだ」と言って画面をタップしたかと思えば、一瞬目を見開いた後、あたしにスマホを向けてきた。


「喜べ、凛音」

「へ?」


何事かと思って遠慮なく内容を読ませて貰えば、


「ひょわ!」


メールを見てビックリ。


「あああ陽きゅん!」

「分かった!貸してやるから落ち着け!」


ガシッと両腕を掴んで詰め寄るあたしに、慌てて待ったをかけてくる陽きゅん。


っていうか落ち着ける訳ないじゃん!


だって、


「十夜と放課後デートだー!」


十夜と二人っきりでデート出来るんだから!