Ri.Night Ⅱ



「え、あたし彼方に肩借りてたの!?」


初耳なんですけど!


「凛音ちゃん爆睡してたからね。でも大丈夫だよ。すぐ十──」

「壱」

「あ、ごめんごめん」


だから、さっきからその意味深なやり取り止めて貰えますか。

あたしだけ仲間外れみたいじゃんか。


いつも以上にニコニコな壱さんは未だしも、隣の総長様は何でそんなに機嫌が悪いのか分からない。


どうせ、聞いた所で教えてくれないんだろうけど。




「凛音ちゃん昨日頑張ったもんね。疲れて寝ちゃうのは仕方ないよ」


「そうだよ壱さん!あたし頑張ったと思わない!?」


あのバイクの大群から逃げ切ったんだから!


まぁ、運転したのは彼方だけど。



「うん。あんなに見事な股間蹴りは初めて見たよ」


ちょ、


「駄目ー!!」


「おまっ……!うるせぇ!」



あたしの絶叫に両耳を塞ぎながら振り返る煌は放っておいて、壱さんに向けてブンブン手を振る。



「壱さんが“股間”なんて言っちゃ駄目!!」


「って、そこかよっ!!」


「あははははは!」


「面白くねぇだろ!!」


「ママ~、あんまり怒るとシワ増えるよ~?」


「ママじゃねぇ!俺は……ってこのくだりもういいわ!!ったく馬鹿女!お前は大人しく彼方に返信でもしてろ!」


「何よ!煌なんかシワシワになってファン減っちゃえ!フンッ!!」


「俺はしわくちゃでもモテんだよ!」


「………」


「ってツッコめよ!」



フンッ。誰がツッコむか。煌なんか無視だ無視。

壱さんと話してたのに、何でいつも割り込んで来るのよ。



これ以上付き合ってられない、と座席に深く凭れたあたしは、彼方に返信しようと座席の上に置いたスマホを手に取った。