胸の奥底に仕舞っていた想いが滝のように涙と共に溢れ出す。


「好き……んっ、」


言い終わらぬ間に再び唇を塞がれて、甘い痺れが全身を駆け抜けていく。



「……はっ……ぁ、」


さっきよりも甘く感じる十夜のキスに酔いしれて。

身を捩る度、二人の間から微かな吐息が洩れる。


「……っ」


擦れるシーツの音は、快楽の証。






「凛音……」



──この絡み合う手が。


頬を包み込む大きくて優しい手が。

繰り返される優しいキスが。

“好きだ”という言葉が。


全て現実だったら良いのに。



──なんて、そんな有り得ない事を願ったけど、今はもう夢で十分。


だって、夢でもこんなに満たされているから。





──いつか、この想いを伝えれる日が来るのかな?


愛しくて愛しくて愛しくて堪らないこの想いを、十夜に伝えられる日が来る?



十夜……。

好き。好きだよ。




甘い囁きと優しいキスに身を委ねながら、消え行く意識の中で何度も何度もそう繰り返した。