振り落とされない様しっかりしがみついて、前方から来るバイクに神経を集中させる。
幸いな事に、今走ってる車道は四車線あるからUターンしないと追い付かれないだろう。
けど、奴等の事だから追い付く為にはどんな手段でも使ってきそうだから油断は出来ない。
奴等なら逆走とかも有り得るし。
「りっちゃん、サービスありがとう~」
「はぁ?」
何、突然。
「いやー、りっちゃんがしがみつくから背中に──」
「馬鹿な事言ってないで飛ばせ馬鹿なた!!」
こんな時にまで変態っぷりを披露する彼方ブチキレて、お腹にドスッと拳をめり込ませる。
「グエッ……!りっちゃんヒドイ……!ってか、馬鹿と彼方をくっつけるとか!」
「良いから飛ばせー!!」
「──お二人さん、仲良くて羨ましいねー」
「……っ、なっ!?」
もう一発お見舞いしてやろうかとグッと拳を握り締めた時、突然現れた黒塗りの車。
横付けされたその車の後部座席には黒烏の総長、赤髪の男がいて、男は目が合うなり「よっ」と嫌味ったらしく手を上げてきた。
ちょ、嘘でしょ!?有り得ないんですけど!!
バイクに気を取られて車の警戒なんて全くしてなかったあたし達は、突然現れた黒烏に大慌て。
「彼方!」
「……オイオイ。こんな展開想像してなかったぞ」
陽達を追いかけてくれる事を願ってたけど、どうやら黒烏の総長はそこまで馬鹿ではなかったらしい。


