Ri.Night Ⅱ



大通りに出ると、バイクのエンジン音はするけど黒烏の姿は何処にも見えない。



「陽達、上手く引き付けてるみたいだね」


「みたいだな。陽達には悪ぃけど囮作戦大成功だな」


「……陽達大丈夫かなぁ?」



いくらバイクテクがあると言ってもやっぱり心配だよ……。


そんなにバイクテクがあるようには見えないし。



「……りっちゃん、今考えてる事本人には言うなよ」


「ん?」


あたし、何も言ってないけど。



「顔に書いてある」


「……マジか。なんて便利な顔なんだ」


「いや、違うだろ」


「む」



って、そんな事どうでも良くて。



「音、近くない?」



さっきからエンジン音は聞こえてたけど、それは陽達を追いかけてるからだと思ってた訳で。


でも、その音が何となく自分達の方へと近付いて来てるような気がする。



「……気のせい?」


「……じゃねぇだろうな」


「マジか」



って事は近くに黒烏が居るって事?



「彼方」


どうする?


そう聞こうと思っただった時だった。


数十メートル先の角から左折してきたのは数台のバイク。



「ちょ、彼方!あれ黒烏じゃないの!?」


バイクが何台もってあんまり無いでしょ!


「イテッ!りっちゃん痛いって!」



バシバシお腹を叩くあたしに彼方が“痛い”を連呼してるけどそれどころじゃない。


この状況、どうしたらいいの!?



「早く逃げて!!」



このままじゃ十夜達と合流する前に捕まってしまう!