「陽!早く行け!こっちはもう向かってるから!
凛音ちゃん!すぐ行くから待っててね!」
『壱さん!』
スピーカーホン越しに凛音の不安げな声が響く。
凛音にも分かったのだろう。
自分達同様、こっちも緊迫した状況だという事が。
それほどまでに壱の声は焦りと苦しさで乱れていた。
「凛音、待ってろ。すぐ行く」
『……うん。あたしも待ってる。皆気を付けてね!後で会おう!』
「……あぁ。お前は彼方の後ろでジッとしてろよ?」
『む。ちゃんとジッとしてるし!煌も壱さんの邪魔したら駄目だからね!』
「お前と一緒にすんな!」
……ったく、コイツには緊張感ってもんがねぇのかよ。
『じゃあまたね!』
「彼方、頼んだぞ」
『了解!』
十夜の言葉に彼方が返事をし、そこで会話が途切れた。
「壱、急げ」
「OK!」
バックミラー越しに十夜と視線を交わした壱の目が変わった。
……本気モードに突入したか。
こりゃしっかり掴まってねぇと危ねぇな。
さっきより更に荒くなった運転に思わず笑みが零れる。
さて、これからが本番だな。
彼方、凛音、気をつけろよ……。
-煌side end-


