『十夜、どうする?“今日”は駄目だろ?』
「……あぁ」
『俺等はまだ〇〇通りにいる。逃げ切れると言いたい所だが、正直どうなるか分かんねぇ』
彼方の切羽詰まった声に俺と十夜は何も言えなかった。
彼方の口調から察して、追って来てるのは相当な人数なんだろう。
もし運良く逃げ切れたとしても、奴等は溜まり場まで追いかけて来るかもしれない。
そうなると、こっちとしても都合が悪い。
どうしたら……。
「──彼方。今から柊公園に向かえ」
「は?」
『は?』
十夜の言葉に、俺と彼方の声が重なった。
どういう事だ?
「俺等も今から向かう。そこで凛音を車に乗せて倉庫へ戻る」
……なるほど。
確かにバイクより車の方が安全だという訳か。
俺等の元へ来ればバイクより攫われる心配はねぇしな。
「陽。お前は千暁を乗せて先に倉庫へ戻れ。狙いは凛音だ。お前等を追って倉庫までは来ない。
凛音と合流次第電話する。それまで下の奴等に状況説明しておけ」
『分かった。千暁、行くぞ』
『え?陽もう行っちゃうの?』
『りっちゃん、先に陽達が見つかれば俺達も近くにいると思って追いかける。まぁ、すぐバレるけどな』
『じゃあ陽達が危ないじゃん!!』
「凛音。さっきも言っただろ?“倉庫までは追って来ない”って。
それに、陽は鳳皇の中で一番バイクテクを持ってる。そう簡単には捕まらない」
……確かに、奴等を誘導しながら撒くのなら陽が一番適任だ。


