十夜はメンバー達に倉庫に集まるよう指示を出すよ、再び車外へと視線を滑らせた。
「アイツ降ろして正解だったな」
「本当だね。凛音ちゃんにこんな怖い思いさせたくないし……っと」
「……っぶねぇ。ったく、お手柔らかに頼むぜ運転手さんよ」
「ごめんごめん。コイツ等を撒くには生半可な運転じゃ駄目だからさ」
予告も無しにUターンする壱に苦笑を洩らせば、壱は愉しそうに声を弾ませながら慣れた手付きでハンドルを回した。
「──煌。彼方から連絡は?」
「ねぇな。倉庫にも帰ってきてないらしいし。まだアイス買ってんじゃね?」
「………」
「どうする?俺等がこのまま倉庫に行ったら奴等も着いてくるぜ。凛音達が溜まり場に着くまで時間稼ぎするか?」
「……あぁ」
車体が激しく揺れているにも関わらず、涼しい顔で何かを考えている十夜。
結構焦ってるくせに顔に出さねぇ所は流石と言うべきか。
平静を装う十夜にフッと小さく笑みを零した、その時。
「凛音?」
手に持っていたスマホが突然鳴り出した。
画面に表示されているのは凛音の名前。
「十夜!」
その名前を見た瞬間、嫌な予感がした。


