Ri.Night Ⅱ



「十夜?」


そう呼びかけるど反応は無くて。

けど、手はまだ握ったまま。



……もしかして、十夜もお礼を言ってくれてるとか?


今の会話の流れからしてそうだよね。


こっちを見ようともしない十夜にふふっと笑みが零れて。


ホント、不器用なんだから。


そう心の中で呟いた。






「──凛音」



声を出さずに笑っていると、煌に呼ばれて、「ん?」と助手席を覗き込む。



「お前もだろ?」


「え?」


「お前も愛してんだろ?鳳皇のこと」


「……っ」



前を向いたままそう問いかけてきた煌に言葉が詰まった。


だって、いつもとは違う真剣な声色だったから。


……なんで、急にそんな声出すの?



「……っ、あ、当たり前でしょ!あたし、煌より“鳳皇”の事愛してるもんね!」


「っ、テッメェ……!」



泣きそうになったのを誤魔化すように、後ろから煌の頭をワシャワシャと掻き回す。


「オイ、馬鹿凛音!やめろ!」

「やめないー」


払い除けようとする煌の手をサッとかわして、更に乱暴に掻き回した。









……伝わってた。


皆の事が大好きなこと。



鳳皇を愛してるって事、

ちゃんと気付いてくれてた。




ありがとう。


気付いてくれてありがとう。







「……テメェ、覚えてろよ」


「もう忘れたー」




ふふっ。


あたしも十夜と一緒だ。


照れ臭くて“ありがとう”って口に出して言えないや。