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「はー、疲れた!」
「はしゃぎすぎなんだよお前は」
「いいじゃん別に。楽しいんだから」
車内に戻って、一旦休憩。
煌じゃないけど、ちょっとはしゃぎ過ぎたかもしれない。
悔しいから何も言わないけど。
……って、ん?
開けたままの窓に両肘をついて涼んでいると、ビルとビルの間から一人の男がこちらを見ているのに気が付いた。
その人はビルに凭れながら腕を組んでいて、誰かを待っているようには見えない。
「……っ、」
あれは……!
顔が確認出来るまで近付いた時、その男の正体が分かった。
……何で、何でこんな所に中田が居るの!?
──そう。
ビルに凭れ、あたし達を見ていたのは敵であるbladeの総長、中田だったのだ。
人混みに紛れ、あたし達鳳皇の暴走を冷笑を浮かべながら見ている。
直ぐに十夜達に知らせようと思ったけどそんな暇もなく。
あっという間に中田との距離が縮まり、そのまま擦れ違った。
それは本当に一瞬の出来事で。
その一瞬の間に、中田はあたしに向けてある言葉を発してきた。
“がんばれ”
その不可解な一言を。


