「前、大丈夫なのー!?」
確か陽って先頭で誘導してたはず。
「大丈夫!傘下の幹部達に任せてきた!」
「あ、成る程!」
傘下の幹部なら大丈夫だね。
「りっちゃん、箱乗り格好良いー」
「あ、これ箱乗りって言うんだ」
知らなかった。
「え、知らずにやってたのかよ。りっちゃんらしー」
「うるさい彼方!」
知らなくて悪かったわね!
「凛音さん落ちたら駄目ですよ~!」
「大丈夫!落ちないから!」
「……そりゃ落ちねぇだろ。総長様が死んでも離さねぇだろうからな」
「ん?何か言った?彼方」
「いーや、何も」
ニコッと笑った彼方に「変なの」と首を傾げる。
「凛音さーん!」
「聞いて聞いてー!!」
ん?
陽達の前後を走っていたメンバー達の方を向くと、突然響いた“ハッピーバースデー”の曲。
うわぁ……凄い!
こんなの初めて聞いた!
皆のテクニック(?)に「凄い凄い!」を連発するあたし。
最後の節が終わったと同時に皆が「誕生日おめでとーー!!」と叫んだから、あたしも合わせて「おめでとう!」と大きな声で叫んだ。
と、その時、繋いでいた右手がギュッと握られた気がして、ゆっくりと車内へと視線を戻す。
「……っ、」
すると、優しい表情であたしを見ている十夜と目が合って、心臓がトクンと小さく音を立てた。
お互い何を言わずに見つめ合い、示し合わせたかのように繋いでいた右手を強く握り合う。
きっと、あたし達が今思っている事は一緒だ。
“誕生日おめでとう”
“来年もまた一緒に……”


