「なんで?」
取り敢えず駄目な理由を聞いてみる。
「危ねぇだろうが」
……ふむ。
危ないから駄目なのね。
だったら……。
「十夜」
ん、と十夜に右手を差し出すと、反射的にあたしの手を握った十夜。
すかさずその手を握り返して、自分の方へと引き寄せる。
「落ちないように十夜が掴んでてよ。だったら大丈夫でしょ?」
そう言って笑うと、十夜は面食らったように目を見開いて黙り込んでしまった。
どうだ。これだったら文句言えないでしょ。
「ふふ。十夜、凛音ちゃんは言い出したら聞かないよ?落ちないように十夜が掴んでてあげなよ」
ちょ、壱さん!
助け舟を出してくれるのはいいけど、言い出したら聞かないって酷くないですか!?
壱さんの言葉が地味に突き刺さって凛音ちゃん負傷。
「……手、離すんじゃねぇぞ」
「やった!ありがとう十夜!!」
承諾を得たあたしは「ひゃっほーい!」と声を上げて繋いでいた十夜の手を離した。
瞬間、十夜に舌打ちされたけど知らんふり。
それよりもバンダナだ。
「うーん……」
助手席にある二枚のバンダナを手に取って、どっちの色にしようか真剣に考える。


