「じゃあ始めるか!お前ら事故んなよ!」
そう叫んだ煌にメンバーが「はい!」と返事をし、各自バイクの元へと散っていく。
「俺等も行くか」
先頭になって階段を下りていく煌の後ろを十夜と手を繋いで下りる。
「ねぇ、十夜」
「あ?」
「さっきの意味分かんないんだけど」
何で皆あたしの特攻服見て騒いでたの?
「……お前のは他の奴と違う」
「違う?」
って何が?
あ……もしかして。
「あたしと十夜だけ“鳳凰”が二羽?」
皆の背中に描かれている“鳳凰”は一羽しかいない。
「何でデザインが違うの?」
そう問いかけると、繋いでいた手を思いっきり引っ張られて。
幸い階段を下りきった所だったから踏み外す事はなかったけど、その代わりに十夜の身体に思いっきり顔面をぶつけた。
痛い……。
「──凛音」
「……っ」
「特攻服の意味は近い内に分かる」
…また、近い内?
耳元で響いたその囁きに眉根が引き寄る。
「一つだけ、教えてやるよ」
「……え」
「その特攻服はお前しか着ねぇ」
「……っ」
「──これから先、ずっとだ」
先行ってろ。冬吾に話がある。
そう言った十夜は、あたしの体を離すと冬吾くんの元へと歩き出した。
「……っ」
足の力が抜けて、ストンとその場に崩れ落ちる。
……十夜の馬鹿。
そんな説明じゃ分かんないし。
熱くなった頬を両手で覆ってそう小さく呟く。
……反則だよ、バカヤロー。


