──パタン。
「ふぅ……」
玄関のドアを閉め、軽く溜め息を吐いた後、真正面にある廊下の手すりに両肘をついて凭れる。
「あ、凛音ちゃんだ」
「おーい!」
あたしを呼んだのは一階に居るメンバー達で。
二階の手すりが鉄格子になってるもんだから下から丸見えだったんだろう。
手を振る皆にあたしも笑顔で振り返す。
……あたし、上手く笑えてるかな。
普段通りに振舞えられてる?
本当は昨日の出来事をまだ引きずってる。
だけど、いくら哀しくても、いくら苦しくても、その事を表には出しちゃいけないんだ。
そんな権利ないから。
これが、みんなに黙ってる“代償”なの。
どんなに辛くてもあたしは笑う。
ううん、笑わなきゃいけない。
──けどね。決して無理して笑ってる訳じゃないんだよ。
皆と一緒に居るだけで自然と笑顔になるの。
だから、余計に離れたくないんだ。
この居心地の良い場所を、この心地良い関係をずっとずっと続けて行きたい。
だから、どんなに自分が苦しい想いをしても足掻き続けるの。
少しでも皆と一緒に居られるように。


