「皆、ごめん」



ごめんね。心配かけてごめんなさい。



「いきなり居なくなったら心配するだろ!!」


「陽、ごめんね」



あたしの元へ来るなりギュッと強く抱き締められて、また涙が溢れそうになる。



「りっちゃん、電話には出ろよな」



陽の後方から彼方が寄ってきて、苦笑しながら頭をポンポンと撫でてくれた。



「ごめ──」


「この馬鹿が!!あれほどフラフラすんなって言っただろうが!!」


「ヒッ……!」



彼方の後方から突然現れた煌ママに思わず後退してしまっらあたし。


鬼の形相で近寄ってくる煌を「煌!もう見つかったんだからいいだろ」と必死で止めてくれる壱さんに手を合わせて、彼方の後ろにサッと隠れる。



「煌、壱さん、ごめん」



彼方の後ろからそろっと顔だけ出して二人に謝ると、



「凛音」


「……っ、十夜」



鬼と化した煌ママを押し退けて十夜が寄って来た。


いつもと変わらないその表情に嫌でも反応するあたしの心臓。



「十夜……ごめんなさい」


「アホ。急に居なくなんなよ。心配させんな」



そう言った十夜は左手であたしの右腕を引っ張ると、あたしの身体を優しく包み込んでくれた。



「……っ、ごめんなさい、ごめんなさい十夜」



十夜の力強い腕に涙が堪え切れず、泣きながら謝り続ける。