思う存分写真(一部隠し撮り)を撮ったあたしは、ニヤつく顔を抑えながら「いざ、お祭りへ!」と皆を置いて先に玄関から出た。



階段に着いた時、一人で下りられない事に気付き、停止。



うん。浴衣で落ちたらシャレになんないから皆が来るまで待っておこう。



ウンウンと頷いて、手摺りに凭れて皆を待つ。


──と、その時、一階から感じたのは鋭い視線。


何だろうと視線を落とせば、一階に居たメンバー達があたしをガン見していて。



……何故?



いつもなら手を振るけど、どう見ても今はそんな空気ではない。







「一人で下りると煌にまた怒られんぞ」


「……十夜」



あたしとメンバー達の微妙な空気を打ち砕いてくれたのは待っていた十夜で。

十夜の後ろには幹部達も揃っている。



「えっ、浴衣!?」

「かっけぇー!」



十夜達が現れた途端、さっきまでの静けさが嘘のようにざわつき始める倉庫内。



まぁ、メンバー達が騒ぐのも無理ないよね。


だって、十夜達が浴衣を着るなんて誰も想像してなかっただろうし。