そういえばわたしは、さっき飲んだのでもう中に入ってるお茶がなくなっちゃったんだった。
それを思い出して、すぐに立ち上がった。
「若菜、水飲んでくるね」
「いってらっしゃーい」
グラウンドから出るとそこは地面ではなくコンクリートで、カンカンとスパイクのハリの音が響く。
グラウンドを出てすぐのところの水道で水を飲んでもどろうとしたとき、何気なく後ろを振り返った。
たしかそこの教室って美術室じゃなかったっけ、と。
「あ」
だけどまさかいるとは思ってなかった。
でも、窓際に立ってこっちを見る高瀬くんと目があったんだ。
休憩時間、もうちょっとあったよね。
そう思って、高瀬くんのところへと駆け寄った。
「楽しそうに走るね」
彼は優しく笑いながらそう言った。



