「5分後に開始するぞー!」

「はい!」



顧問の松島(まつしま)先生の言葉に、準備をしながらのんびり話していたみんなも静かになって、大きな声で返事をした。


だけど松島先生がどこかへ行くと、みんなもさっきの雰囲気にもどった。


わたしも若菜とふたりでたわいのない話をしているうちに、気がつけばスタートの時間が迫っていた。



「そろそろ移動するよ」



岡田くんにそう言われて、ふたりでいっしょに100のスタートのところへと移動した。



みんなが移動し終わると、ゴールに立っていた先生の「始めるぞ!」という声がスタートまで届いた。


その声に、部活のときだけ後ろでしているポニーテールを急いできつく結び直した。