「美術室?」
「そうだよ」
「高瀬くんは、いつもここで絵を描いてるの?」
わたしのその質問に彼はうなずきながらも、「たまにだけどね」と笑いながら言った。
思わずドアに手をかけてみたけれど、ドアにはカギがかかっていて開くことはなかった。
……なんだ、残念。
また今度、高瀬くんが部活をやってるときにでもこそっと見に来ようかな。
そう思っていると、高瀬くんはおもむろにポケットからカギを取り出して、それをカギ穴に差し込んだ。
カギを90度回すとカチャッという音が立って、高瀬くんは勢いよくドアを開いた。
「カギ、持ってるんだ……」
「うん。学年にひとり、持たされてるんだ」
美術室に入っていく高瀬くんのあとを、私もついていく。
絵の具とかの不思議なにおい。
机やイスには、カラフルな絵の具が飛び散っている。



