これならあの4人にばれることもないだろう、なんて考えているうちに理科室に入って、窓側の日陰の席に腰をかける。


お弁当を机の上に広げて、さあ食べようとしていたとき。
ガラッとドアが開いて、そこにいた人を見て「え!」と声が出た。



「た、高瀬くん……」



なんでここにいるの。
しかも高瀬くんの右手には、お弁当が入ってるであろう保冷バッグがあった。



「食堂行こうと教室でたら、反対方向に行く吉井さんを見て、ついてきた」



どうしてここに来たのかを聞く前に、高瀬くんは自分からそう話しながら私の目の前のイスに腰を下ろした。



「ずっとこんなところで食べてたの?」

「……うん」

「ひとりで?」

「うん」



「なんで?」という次の質問には、口を閉じた。