「俺、自転車取ってくるから先に歩いて帰ってて」
「うん、わかった」
自転車置き場は、正門を出ずにこの道をまっすぐ行ったところにあるらしい。
いくら同じ方向だからって、高瀬くんがわたしに用はないならべつにいっしょに帰る必要はないのに。
でもわざわざいっしょに帰るなら、やっぱり用事があるってこと?
うーん、とひとりで悩みながらゆっくりと歩いていく。
正門を出て右に行くと海沿いの道に出るけれど、左に行くと駅やお店がある。
大半の人は駅に向かうけど、近くに住んでいる人は海沿いの方に向かうんだ。
だからさっきまでたくさんいた人も、気がつけばちらほらとしか歩いている人はいない。
キキーッ!というブレーキ音が聞こえて、足を止める。
高瀬くんは自転車から降りて、わたしの隣を歩き始めた。



