「あー……ごめん。うそ」
「え?」
高瀬くんはいたずらっぽく「ははっ」と笑った。
さっきと全然ちがうその表情に、わたしたちのことを見ていた女の子たちの「笑った!」と驚いたような声が聞こえてきた。
「吉井さん、帰るの?」
「うん」
「じゃあ行こう」
「……うん」
高瀬くんって、よくわかんない。
なにを考えているのか、さっぱりわかんないよ。
わたしから手を離してまた階段を下り始めた高瀬くんの少し後ろをゆっくりとついていく。
そして下駄箱でローファーに履き替えてから、昇降口を出た。
正門は校庭の横の道の途中にある。
そこに向かって歩きながら校庭を見てみると、数少ない部員たちが練習を始めようとしていた。



