周りの子たちの中にはオトナっぽい子だっていたけれど、わたしと同じようにまだオトナになりきれていない子がたくさんいた。


高校生のままがいいって。
オトナにはなりたくないって。

……そう言っている子もいた。



だけどわたしは、早くオトナになりたかった。

どうやったらオトナになれるの?って、中学生のときからずっとそれだけを考えていたんだ。


でも、高校生になったらきっとオトナになれるんだって、信じていた。



それでも、なれなかった。


だから、コドモからオトナになる近道はないのかなって、オトナというゴールを目指して、無我夢中で走り続けていたんだ。



なんて思い出していたら、ぽろぽろと涙がこぼれ落ちた。

それを拭うとにじんでいた視界がはっきりして、太陽が反射してキラキラ輝く海に目がくらんで、ゆっくりと目を閉じた。