でも、わたしはもうひとつの目標を達成することができなかったんだ……。
そう思ってまた涙が浮かび、下を向く。
すると、高瀬くんは「俺だと有効にならない?」と意味がよくわからないことを聞いてきた。
「……え?」
「地区も県も優勝して地方大会に出ることになったよ、俺」
「それって……」
高瀬くんは恥ずかしそうにしながらも、いつもの優しい笑顔を浮かべた。
「つき合ってください」
そして、たしかにそう言ったんだ。
鼓動が速くなって、頬が赤くなる。
それに、涙もあふれてきた。
「あのとき吉井さんが言ったことは、俺の目標でもあったから」
「でも、わたしは……」
「すごいかっこよかったよ。いままで見たなかで、一番かっこよかった」
その言葉にまた、胸の鼓動が速くなる。



