青空も、気がつけばオレンジ色に変わっていた。



「ふたりとも、もっと寄って」



スマホを構える若菜にそう言われ、となりに立つ高瀬くんと目を合わせて笑いながらも、肩が触れそうなくらいまで近づいた。


お互いに、手には【100m 1位】という賞状を持って。



「行くよ〜、はい、チーズ!」



カシャッとシャッター音が鳴って、わたしは若菜のもとに駆け寄った。



「あとで送ってあげる」



そう言ってスマホの画面を見ると、わたしだけじゃなく高瀬くんもとなりで笑っていたことに気がついた。


これは……ぜったいに、消せないなあ。

なんて思って、ひとりでにやけてしまう。


わたしも高瀬くんも、100mで優勝し、もちろん県大会に出場することになった。