「無理なの! 簡単に準決とか決勝とか行っちゃうような華純には、わかんないよ、この気持ちは」
少し先を歩いていた若菜が立ち止まって、少し振り返って力強い声でそう言ってきた。
その言葉に、わたしの動きも止まる。
若菜の顔は、悔しさと悲しさが入り混じっていて。
こういうときわたしは、なんて声をかければいいんだろう……。
それがわかんなくて口をつぐんでいると、若菜は「ごめん、華純」と今度は謝ってきた。
「いまのは、まちがえた」
「……えっ?」
「完全に、八つ当たりだったね。華純は悪くないのに」
そう言われ、思い切り首を横に振る。
わたしが、若菜を怒らせちゃうようなこと言ったんだし、わたしが悪い。



