わたしがお願いしてもダメかな。
でももうお父さんしか、頼る人がいないよ。
だけど、電話番号も知らないし、お母さんに聞いたとしてもきっと教えてくれないと思うんだ。
家は……引っ越しちゃったかな。
引っ越してなかったから、わかるんだけどな。
「華純? 今日はもう帰りなさい」
「でも……」
「明日の放課後でいいから、頼んだものを届けてくれるかしら」
「うん」
「内容はあとでメールで送るから、よろしくね」
まだいたいけど、お母さんも少しは休みたいだろうし……。
そう思って、促されるようにしてわたしは立ち上がった。
「じゃあまた明日ね」
「ええ。 気をつけてね」
お母さんに笑って手を振ってから病室を出て、わたしは病院をあとにした。
本当はおばあちゃんにも久しぶりに会いに行こうか迷ったけど、自転車を返さないといけない。
だから明日は行けるといいな。



