青春に、寄り道中。




「そういうまっすぐな目、お父さんによく似てるわ」



なんて、お母さんは「ふふ」と笑いながらつぶやいた。


お母さんの口から「お父さん」という言葉を聞いたのは、久しぶりだ。

それさえもうれしくて、また涙がこぼれた。



「お母さんはさあ、お父さんのこと……少しでも好きなときはあった?」

「……華純はなかったと思う?」

「え?」

「好きだったわ、ずっとね。 だから結婚したんだし、華純や歩夢もいるのよ」



それなのにどうしてお母さんは、お父さんとあんなにも仲が悪くなったの?

――そう聞きたかったけど、その言葉はのどから出てこなかった。



お父さんからの養育費は毎月ちゃんと振り込まれてるけど、それは少しの足しにしかならなくて。

お願いしたらもう少し……いまだけでもいいから、送ってくれないかな。