2月。
ふわふわと、積もらないような白い雪が舞うころ。



部活中に急に担任の先生がやってきて、先生はわたしに言ったんだ。

――「お母さんが倒れて、病院に運ばれたみたいだ」って。



倒れたのは午前中らしくて、目を覚まして落ち着いたお母さんがさっき自分で学校に電話をかけてくれたみたい。


だからべつに危ないわけじゃないみたいけど、心配だからと顧問の先生に伝えて許可をもらって、急いで部室に向かった。



スマホの電源をつけると、お母さんからの着信が3件きていた。


わたしが出なかったから、わざわざ学校に電話してくれたんだ……。

大丈夫だとわかってはいても、お母さんが倒れるなんてことは初めてだったから、胸がざわついている。



やっぱり元気な姿をこの目で確認しないと、安心できないや。


そう思って、青いバッグを背負って正門まで走り、学校を出ようとしたとき。


わたしを待ち構えていたかのように、部活をやっていたはずの高瀬くんがシルバーの自転車といっしょにそこにいた。