――あのときも、いまも、わたしは高瀬くんのことが気になるし、もっと高瀬くんのことを知りたいんだ。
なんて思うのは、おかしいかな。
「高瀬くんはどんなふうに走るの?」
「そう聞かれても、わかんないよ」
「あははっ、そうだよね」
だから、この目で見たいんだ。
でも、高瀬くんは足を怪我してうまく走れないんじゃなかったっけ……。
「怪我は、平気なの?」
「……わかんない。あれから怖くて、走れてないから」
「そっか……」
「正直、あのときみたいな走りができるかわかんなくて、怖い」
「でも」と、一瞬 表情を暗くさせた高瀬くんは、顔を上げた。
やっぱり彼の横顔はキラキラ輝いていて、まっすぐに前を見ていた。



