高瀬くんとの関係を何人かに聞かれたことがあるけど、「ただの友だち」ということを知らない子からは恨まれそう。
……なんて、あらためてわたしと高瀬くんの関係を自覚して、ちょっと胸が切なくなる。
ぐるぐると頭でそんなことを考えて。
そして、ため息を吐きながら、下駄箱でローファーへと履き替える。
「先行ってていいよ」
「あ、うん。わかった」
わたしよりも先に履き替えていた高瀬くんはそう言って、先に昇降口を出て行った。
自転車を取りに行った高瀬くんを置いて、ゆっくりと海が見える道に向かって歩いていく。
高瀬くんは、本当に陸上を続けるのかな。
わたしが走るのを見てそう思ったって……。
もし彼がまた走るなら、それはうれしいこと。
高瀬くんはどんな走りをするんだろう?
きっと、風みたいに地面を駆け抜けるんだろうな。



