でも、陸上部はもう辞めたって……。
「あっ、蒼くんへの気持ちは……内緒にしておいてね」
「うん、もちろん」
「そうだ。かすみんの好きな人は?わたしも教えたんだから、知りたいな」
沙莉は目をキラキラさせていたけれど、わたしは「もういいの」と答えると、ちょっと残念そうな顔をした。
「もう、好きじゃないんだ」
「え……そうなの?」
「うん」
だってこのまま好きでいても、苦しいだけなような気がするから。
それなら沙莉のことを応援していたい。
わたしは友だちのままでいいんだ。
「応援してるね」
親指を立ててグーサインをしながらそう言うと、沙莉は照れくさそうに笑って「ありがとう」と言った。
――放課後、高瀬くんにいろいろ聞かないとなあ。
なんだかちょっと、楽しみだ。
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