ドキドキしながら席に着いて、沙莉のことを見てみると、沙莉はいつもと変わらず柔らかく笑っていた。
「おはよう」
「あ……おはよ、沙莉」
そんな沙莉に、わたしも平然装うようにして笑って返した。
「冬休み、どうだった?」
沙莉は体ごとわたしのほうに向けて、そう聞いてきた。
「え? ……冬休み?」
「うん、どっか出かけたりした?」
なんていうふつうの会話に驚きながらも、「ううん」と首を横に振った。
あれ……どうして、ふつうなんだろう。
あの終業式の日のことは、べつにケンカとかじゃなかったのかなあ。
わたしがただそう思っていただけ?
「終業式のこと、ごめんね」
なんて思っていると、いままでの会話は気まずくならないように、と沙莉が気を遣ってくれていたのだとわかった。
「わたしもごめんね」
だから素直に、そう返した。



