颯爽と自転車で去っていった高瀬くんの背中を見ながら、歩いていく。
もちろん、高瀬くんの姿は正門を通ったあとも、見つからなかった。
いたらいたらで気まずかったし……それでよかったんだけど。
気がつけばまだ、わたしは高瀬くんのことを探しているんだ。
「おはよ、かすみん」
「はあ」とため息を吐きながら中履きを履いていると、肩をトントンと叩かれて、それと同時に後ろから声が聞こえた。
「あ……皐くん、おはよう」
「なに、朝からため息吐いてんの」
「ううん、なんでもないよ」
「ふーん」
皐くんから聞いてきたくせに、わたしの返した言葉に興味なさそうに相づちをうった。
あ、そういえば皐くんにあのことを聞かなきゃ……。
「ねえ、皐くん」
「ん?」
皐くんが中履きに履き替えるのを待って、隣に並んで教室へと向かう。



