それは、海岸の大きな岩のところ。
海に落ちたら危ないから近づかないでってお母さんには忠告されてたけど、そこがわたしと彼の待ち合わせ場所だった。
初日以外は斜め向かいの家に呼びに行くんだけど、初日だけはそこで会おうって約束をしたんだ。
夕日がきれいだからって――。
それより、どうして本名をちゃんと聞いていなかったんだろう……!
表札に書いてあったはずの名字がどうも出てこない。
ソウちゃんだって、下の名前しか名乗らなかったし……。
とにかく何年も前なんだから、記憶も曖昧だ。
そういえば、皐くんって小学校のときにわたしと遊んだことがあるって言ってなかったっけ……?
明日、皐くんに聞いてみようかな。
――でも、学校行きたくないな。
終業式の日から、高瀬くんは部活には一度も顔を出していない。
本当に、辞めたのかもしれない。



