でもこんなあだ名を考えたりするやつらより、こんなことを思うわたしのほうがよっぽど最低だなあ。

それにそんなふうにして呼ばれたのは、わたしも悪いんだし。

だからこそいま考えると、お母さんとお父さんに申し訳ない気持ちになる。



いまではちゃんと、この“華純”という名前は大切なものだと受け取っているから。

だって、お母さんとお父さんのふたりがいっしょに考えてくれたから。


「華のように美しく、純粋な子」になってほしいからつけたんだって、お母さんが教えてくれた。


名前負けしそうだけど、わたしの大切な名前なんだ。



いろいろなことを思い出していて、気がつけば泣いていた。

だけど涙を拭って、教科書やノートを箱にもどして、今度はもうひとつの箱を開けた。