いつもの家への帰り道ではなくて、知らない道をどんどん進んでいく。
高瀬くんも、沙莉も、ごめんね。
わたしのせいで、傷つけちゃった。
高瀬くんの気持ちを決めつけたのは、わたしだった。
沙莉に強く当たったのは、ただの嫉妬だった。
……わたしって、最低だなあ。
そう思うと、またぽろぽろと涙があふれて頬を伝った。
知らない住宅街を歩いてたはずなのに、気がつけば家の近くの大通りの十字路が少し先に見えた。
渡りたいほうの信号は、青信号。
だけどあと数メートルとなったところで青信号は点滅して、わたしは渡らずに足を止めた。
青信号の点滅は、“注意”。
わたしのあふれそうになる想いも、彼の世界に踏み込みすぎるのも、注意しろってことなのかなあ……。
ーーなんて、そんなの自分への言い訳だ。
ただ怖いから、逃げようとしてるだけ。
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