「わたし、悲しいこととかあったら、思いっきり走り込んで、振り切ろうとするの」



でもきっと、3日もすれば大丈夫。

そうすればすっきり忘れて、こんな気持ち振り切れちゃいそう。


なんて思っていると、「悲しいこと、あったの?」と若菜はさらに追求してきた。



「あのふたりのこと。 ……っていっても、そこまで悲しいわけじゃないよ?」

「あっ、そっか……。なんか、ごめん」

「あははっ、どうして若菜が謝るの? これはわたしが邪心を消すための修行みたいなものだって!」



なんて冗談っぽく言って若菜を笑わせようとしたのに、若菜は表情を暗くさせてうつむいてしまった。



「わたしは平気だよ。 ただちょっと、失恋しちゃったから悲しくなっただけ」

「でも、言わなければよかったね……」

「なんで?」



若菜は意外と心配性すぎる。