「それで?なんて返事したんだよ。 あの子、5組のユカちゃんだったじゃん」
「ちょっと皐、あの子がだれかわかったの?」
「あぁ、わかったけど」
「うっわ、気持ち悪……」
当然かのように返事をした皐くんに、若菜は本当に引いたような顔をして、思わず本音をもらした。
わたしと沙莉だって、苦笑い。
だって上からだったし……高瀬くんはわかったとしても、さすがに女の子はわかんなかったなあ。
「それで?返事は?」
「断るに決まってるよ。知らない人だし」
しつこく聞く皐くんに、高瀬くんは半ば呆れたようにため息を吐きながらそう答えた。
沙莉はその言葉にほっと胸を撫で下ろしていた。
わたしも、内心ほっとしていた。