あはは、なんかバカみたいだなあ。
でも高瀬くんの好きな人が、沙莉でよかったかもしれない。
だって相手が沙莉なら、わたしが敵うことなんてないし、諦められるよ。
「沙莉もね、たぶん高瀬が好き」
「……うん」
沙莉の好きな人って、高瀬くんだったんだ……。
「あたしがこんな話をするのは、ふたりの邪魔をしないで欲しいからとか、そんなんじゃないよ」
そう言って一度若菜は口をつぐんだ。
そしてまた若菜が話を続けようとしたとき、「ご注文のハヤシライスとドリアでーす」とタイミング悪く店員さんがきた。
そんな店員さんはわたしたちの前に料理を置くと、どこかへ消えた。
そしてまた、若菜が口を開こうとした。
だけど先にわたしが「わかってる」と言った。
「え?」
「若菜は、わたしのために、教えてくれたんだよね」
「……華純」
「だから、ありがとう」
そう言うと、若菜は首を横に振った。



