「雨、強いね」
沙莉の言葉に、「最初は小雨だったんだけどね」と答えた。
気がつけば窓の外で降る雨は強くなっていて、雨粒の大きな音が聞こえてくる。
「かすみんは?部活あるの?」
「うーん……わかんない。でもないといいのにな」
「雨の中 学校でやるのとかって、憂鬱だよね」
「うん、憂鬱」
なんかわからないけどやる気も出ないし、だからどうせなら帰りたいな。
あ……でも傘ないんだった。
どうやって帰ろう。
止みそうもないし、走るしかないかなあ……。
学校で部活をやったとしても、中止で家に帰ったとしても、どっちにしたって憂鬱だ。
そのあとのSHRが終わると、わたしはすぐに隣のクラスへと向かった。
いくら放課後でも前のドアからだれかを呼ぶのはまだちょっと勇気なくて、後ろのドアから「若菜!」と呼んだ。



