それが恥ずかしくて、さりげなく視線を逸らした。
「若菜〜!」
沙莉がそう呼ぶと、若菜は友だちの輪から抜け出してこっちに来た。
それにしても、沙莉ってば勇気あるなあ……。
だって前のドアからだれかを呼ぶのって、この教室の人の視線を集めることになるのに。
わたしだったら無理だからもう諦めようとしていたし、沙莉がいてよかった。
「どうしたの?」
「あ、これありがとう!返すの忘れちゃってた」
「あーそういえば貸したっけ。 べつに部活のときでよかったのに」
「でも忘れちゃいそうだったから」
そう言って若菜にヘアブラシを渡すと、若菜は「ありがとう」と言って受け取った。
すると5分前の予鈴が鳴って、若菜とら別れて沙莉と自分たちの教室へともどった。
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