翌日。
わたしは朝から髪を後ろでひとつに結んで、学校に行った。
だって、「似合ってる」って言ってくれたの、すごいうれしかったから。
……こんなのって、単純かな。
「かすみん、おはよう」
学校まであと100メートルともなったところで、少し前にピンク色の自転車が止まった。
かと思えば、それに乗って振り返った女の子は沙莉だった。
「沙莉が自転車だなんてめずらしい」
というか、初めて見たかもしれない。
高瀬くんや橋本くんが自転車に乗って登校しているのは知ってたけど、沙莉や若菜はいつも歩いているんだと思ってた。
「遅刻しそうだったの」
「沙莉が?」
「めざましをセットするのを忘れちゃったんだよね〜」
自転車を降りた沙莉はそう笑って言いながら、自転車を押していた左手を話して、乱れた前髪を直した。
そんなに急いでいたんだ……。



