……そういえば、ここ何日かまともに話していない気がする。
というか、なんだか話すとなると緊張しちゃうんだ。
おかしいな、どうしちゃったんだろう、わたし。
「吉井さんが勉強できないのって、意外」
「え?」
「だってほら、なんでもそつなくこなしそうだから」
「……そ、そんなことないよ!」
ほら、ダメだ。
目を合わせることができないんだ。
だから恥ずかしくて、顔をうつむかせながら階段を下りる。
前を歩く3人は楽しそうだし、わたしも教室を出たときから沙莉と若菜と話して歩いていればよかった。
橋本くんと場所変わりたいな……。
「吉井さん?どうした?」
なんて考えていると、視界の端に高瀬くんの止まった足に気がついて顔を上げる。
すると思ったよりも高瀬くんの顔が近くにあって、驚いて跳ねるようにして後ずさった。



